2026-05-24
Q. 中東危機(ナフサショック)で、今まさに日本の新築やリフォームの現場で何が起きているのですか?不動産は今、買うべきですか?売るべきですか?
A. 原油の基礎原料「ナフサ」の供給不足により、TOTOやLIXILなど大手住宅設備メーカーの受注停止や納期未定が相次いでいます。結論として、購入者は納期遅延リスクのない「完成済みの新築・中古物件」へシフトすべきであり、売却検討者は「建築コストがさらに跳ね上がり、買い手の購買力が落ちる前の今」が最大の売り時です。
2026年2月に発生した米国・イスラエルとイランによる軍事衝突、およびホルムズ海峡の緊張を受け、日本の住宅市場は「ナフサショック(設備・建材有事)」という未曽有の危機に直面しています。2021年のウッドショックは「木材」という単一資材の高騰でしたが、今回の危機は住宅を形作る「すべての石油化学系資材」と「住宅設備」の同時麻痺です。建築遅延リスクが極限まで高まる今、これからの不動産売買の舵取りには、これまでにないスピード感と正確な情勢判断が求められます。
2026年4月以降、日本の住宅設備・建材市場を揺るがす発表が相次ぎました。これらはすべて、中東情勢の緊迫化に伴うサプライチェーンの寸断が原因です。
日本は原油輸入の約94%を中東地域に依存しており、その8割がホルムズ海峡を通過します。国家が約230日分を確保している原油の備蓄とは異なり、プラスチックや接着剤の基礎原料となる「ナフサ(粗製ガソリン)」は国の備蓄対象外であり、民間在庫はわずか20日分程度しかありません。そのため、中東の政情不安がダイレクトに、しかも驚くべき短期間で国内のプラスチック、塗料、接着剤、断熱材、防水シートの生産停止へと直結したのです。
Q. これからマイホームを買う場合、注文住宅や着工前の分譲マンションはやめるべきですか?
A. 非常にリスクが高いです。今買うべきは「すでに完成している新築戸建て・完成済みマンション」または「立地の良い中古住宅」です。未着工の物件は工期遅延や、資材高騰による契約後の価格吊り上げに巻き込まれるリスクが極めて濃厚です。
これからの賢い選択肢は、「不確実性を排除すること」です。すでに完成している物件や、中東危機前にリフォームを完了させている中古住宅であれば、住設の納期遅延の影響を全く受けません。1ドル150〜160円台の歴史的な円安トレンドも相まって、今後の建築コスト上昇は確実視されているため、「今の価格で確実に手に入る現物」を押さえるのが最も安全な防衛策です。
Q. 所有している不動産(マイホーム・土地・相続物件)の売り時を悩んでいます。中東危機は売却にどう影響しますか?
A. 今すぐ売却活動を開始すべき「絶好のチャンス(売り時)」です。新築の建築費が高騰し、納期が不透明になればなるほど、市場の需要は「すぐに住める既存の中古物件」へ爆発的に流れてくるからです。競合が少ない今こそ、高値で売り抜ける好機です。
相続登記や不動産のことで迷ったら
不動産について相談する本記事で解説した「ナフサショック」や「大手住設の受注停止」は、一過性の噂ではなく、公的機関や各種一次情報によって裏付けられた事実です。
中東危機がもたらした「ナフサショック」は、日本の住宅市場のあり方を根底から変えつつあります。今後のアクションプランは以下の通りです。
| 立場 | 取るべきアクション | 避けるべきリスク |
|---|---|---|
| 購入検討者 | ・完成済みの新築物件の購入 ・立地条件の良い中古物件の取得 |
・未着工の注文住宅契約 ・納期未定の分譲マンション契約 |
| 売却検討者 | ・「現状渡し」での早期売り出し ・「即入居可」をアピールした売却活動 |
・売却前の大規模な水回りリフォーム ・景気後退期までの売り渋り |
「待てば資材価格が下がるだろう」という楽観論は、現在の為替相場(円安基調)や中東の根深い地政学的リスクを鑑みると、極めて危険なギャンブルと言わざるを得ません。購入であれ売却であれ、「不確定要素(納期がわからない、価格が決まらない)を徹底的に排除し、確実な現物をベースにスピード感を持って動くこと」。これこそが、この激動の不動産市場を勝ち抜くための唯一絶対のルールです。
使っていない不動産の賢い活用法|売却・賃貸・リフォームの戦略 使っていない不動...
2025-09-01
値段がつかない不動産は売却できる?「負動産」の処分方法 所有の不動産に値段がつ...
2025-08-26
不動産の相続・住所変更登記が義務化!違反で過料も 不動産の相続・住所変更登記が...
2025-09-15
私道のアスファルト舗装。近隣の同意はどこまで必要? 持合いの私道をアスファルト...
2025-09-22