賃貸経営の確定申告。どこまでが「経費」になる?節税になる支出と、ならない支出の境界線

賃貸経営の確定申告。どこまでが「経費」になる?節税になる支出と、ならない支出の境界線


賃貸経営を始めると、多くのオーナーが気になり始めるのが、

「これは経費になるのか?」

という問題です。

特に2026年現在は、

  • 物価上昇
  • 修繕費高騰
  • 金利上昇
  • 固定資産税負担

などによって、賃貸経営の利益率が圧迫されています。

そのため、

「少しでも節税したい」

と考えるオーナーは増えています。

しかし一方で、

「何でも経費にすれば得」という考え方は非常に危険

です。

税務署は近年、不動産所得のチェックを強めています。

特に、

  • 個人的支出
  • 家事按分の不自然さ
  • 修繕費と資本的支出の区分

などは、調査で問題になりやすいポイントです。

本記事では、賃貸経営における「経費になる支出」と「ならない支出」の考え方を、実務目線で分かりやすく解説します。


1. そもそも「経費」とは何か

まず大前提として、経費とは、

「収入を得るために必要な支出」

です。

つまり、

賃貸経営に関係する支出であること

が重要になります。

逆に言えば、

プライベート支出は経費になりません。

ここを曖昧にすると危険です。


2. 経費になりやすい代表例

まずは、基本的な経費項目を見ていきましょう。

① 固定資産税・都市計画税

賃貸物件にかかる税金は経費になります。

これは代表的な必要経費です。

② 管理費・修繕積立金

区分マンション投資では、

  • 管理費
  • 修繕積立金

も経費対象です。

毎月支払うランニングコストとして計上できます。

③ 修繕費

例えば、

  • クロス張替え
  • 給湯器交換
  • 水漏れ修理

など、原状回復や維持管理目的なら経費化しやすいです。

④ ローン金利

住宅ローンではなく、

不動産投資ローンの「利息部分」

は経費になります。

ただし、元本返済部分は経費ではありません。

⑤ 火災保険・地震保険

賃貸経営に必要な保険料も経費になります。

⑥ 不動産会社への支払い

  • 仲介手数料
  • 広告費
  • 管理委託料

なども必要経費です。


3. 「修繕費」と「資本的支出」の違いが超重要

ここが最もトラブルになりやすいポイントです。

「修繕費」か「資本的支出」か

で、税務処理が変わります。

修繕費とは?

元の状態に戻すための工事

です。

例えば、

  • 壊れた設備交換
  • 通常劣化の補修

などです。

これは、その年に経費計上しやすいです。

資本的支出とは?

資産価値を高める工事

です。

例えば、

  • グレードアップリフォーム
  • 間取り変更
  • 性能向上工事

などです。

これは、

減価償却で数年に分けて経費化

する必要があります。


4. 「どこまで経費?」で危険な勘違い

ここで注意したいのが、

「不動産投資しているから全部経費」ではない

という点です。

例えば注意が必要なもの

  • 家族旅行
  • 私用車ガソリン
  • ブランド品
  • 私的飲食費

これらは、

賃貸経営との関連性説明が必要

になります。

特に最近は、SNSなどで“何でも経費”のような情報もありますが、非常に危険です。


5. 「家事按分」は合理性が重要

自宅兼事務所の場合、

一部経費化(家事按分)

が可能なケースもあります。

対象例

  • 通信費
  • 電気代
  • 家賃

ただし、

「どの割合で事業利用しているか」

の説明が必要です。

例えば、

  • 仕事部屋面積
  • 使用時間

など、合理的根拠が重要になります。


6. 2026年、税務署が見ているポイント

近年、税務調査では次の点が特に見られています。

① 赤字が長年続いていないか

「節税目的だけ」

と判断されるリスクがあります。

② 不自然な経費がないか

特に、

  • 高額交際費
  • 私的支出混在

は注意されやすいです。

③ 修繕費計上が適切か

本来、資本的支出なのに、

一括経費処理していないか

を見られることがあります。


7. 節税で本当に重要なのは「長期視点」

ここが非常に大切です。

「今年だけ税金を減らす」

だけでは意味がありません。

重要なのは、

「長期的にキャッシュを残すこと」

です。

つまり、

  • 適切な減価償却
  • 無理のない修繕計画
  • 将来売却も含めた設計

が必要になります。


8. 「経費を増やす」より「利益を残す」が重要

よくある勘違いが、

「経費を使えば得」

という考えです。

しかし実際には、

経費=お金が出ていく

ということでもあります。

つまり、

「不要な支出まで増やす」のは本末転倒

なのです。

賃貸経営で本当に重要なのは、

「税引後にどれだけお金が残るか」

です。

まとめ:「経費」は“魔法”ではなく“ルール”

賃貸経営では、経費を正しく使うことで、確かに節税効果があります。

しかし、

「何でも経費」は通用しません。

重要なのは、

「賃貸経営との関連性」と「合理性」

です。

そして2026年以降は、税務調査もより実態重視になる可能性があります。

だからこそ、

  • 記録を残す
  • 領収書を整理する
  • 説明できる形にする

ことが非常に重要になります。

節税とは、単に税金を減らすことではありません。

“お金を守りながら、長く賃貸経営を続ける技術”

なのです。

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