不動産投資における「銀行融資」とは!??

不動産投資における「銀行融資」とは!??


不動産投資において、最大のレバレッジ効果を生み出す鍵となるのが「銀行融資」です。数千万円から数億円規模の資金を動かす不動産投資では、自己資金だけで戦うのは効率的ではありません。

しかし、銀行は誰にでもお金を貸してくれるわけではありません。彼らが最も重視しているのは、一にも二にも「確実な返済能力」です。

では、銀行はあなたの、そして物件の「何を」見て返済能力を判断しているのでしょうか?

本記事では、メガバンクや地方銀行が融資審査時に必ずチェックしている「具体的な審査基準と数字」を、事実と専門的な解説を交えてすべて明かします。


Q. 銀行は個人の「何」を見て返済能力を判断しているの?

A. 結論、銀行はあなたの「属性(年収・勤務先・資産状況)」と「信用情報」から、万が一のときの『給与による補填力』を見ています。

銀行が個人に対して行う審査を「属性審査」と呼びます。不動産投資は事業ですが、個人の場合は「本業の収入で不動産の赤字をカバーできるか」が最重要視されます。

① 年収のボーダーラインは「700万円」

多くの金融機関(地方銀行・ネット銀行等)において、融資検討の土台に乗る一般的な基準は年収700万円以上です。メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほなど)になると、さらに厳しく年収1,000万円以上、あるいはそれ以上の純資産を求められるケースがほとんどです。年収500万円前後でも融資可能な金融機関(日本政策金融公庫や一部のノンバンク)はありますが、金利や融資期間などの条件がタイトになります。


② 勤務先のランクと勤続年数

銀行は「収入の安定性」を何よりも好みます。そのため、以下のような職種・企業に勤める人は評価が非常に高くなります。

  • 公務員、医師、弁護士(士業)
  • 上場企業、外資系大手企業の会社員

勤続年数は最低でも3年以が目安です。ただし、近年は「キャリアアップに伴う年収増加の転職」であれば、勤続1年前後でも前職の経歴を含めて柔軟に評価されるケースが増えています。


③ 指定信用情報機関(CIC・JICC)の履歴

銀行は審査時に必ず、個人の信用情報を開示します。ここでクレジットカードの支払遅延(直近2年以内に複数回)や、消費者金融からの借入多額の自動車ローンなどがあると、「返済に対する規律がない」とみなされ、年収が高くても一発で融資否決(謝絶)になる可能性が極めて高くなります。



Q. 物件の評価では、具体的にどんな「数字」が見られているの?

A. 銀行は物件単体の稼ぐ力を表す「DSCR(借入金償還余裕率)」と、資産価値を表す「LTV(融資比率)」をセットで見ています。

個人の属性がどれだけ良くても、物件そのものに返済能力がなければ融資は引き締まります。銀行の融資担当者が電卓を叩いて厳しくチェックする2つの指標がこちらです。

1. DSCR(Debt Service Coverage Ratio:借入金償還余裕率)

DSCRは、「物件から出る純現金収入が、年間のローン返済額に対してどれだけ余裕があるか」を示す指標です。計算式は以下の通りです。

DSCR = NOI(営業純利益) ÷ 年間元利返済額
※NOI = 満室想定家賃 × 稼働率 - 運営経費(管理費・固定資産税など)

【銀行の判断基準】

  • 1.0以下:家賃収入だけで返済ができない(原則、融資不可)
  • 1.1 ~ 1.2:ギリギリのライン(空室が数部屋出ると即赤字になるリスクあり)
  • 1.3以上安全圏(銀行が最も好む融資推奨ライン)

銀行は「ストレス金利」と呼ばれる、実際の融資金利よりも高い金利(例:3.0%~4.0%)で逆算してDSCRを計算します。金利が上昇したり、空室率が20%に上がったりしても、DSCRが1.0を割り込まないかを見ているのです。

2. LTV(Loan to Value:融資比率・借入金対純資産比率)

LTVは、「物件の価値(または購入価格)に対して、借入金が占める割合」です。

LTV = 借入金額 ÷ 物件の購入価格(または担保評価額) × 100(%)

【銀行の判断基準】

  • 80%以下:健全(頭金を2割以上入れている状態。審査に通りやすい)
  • 90%~100%:フルローンに近い状態。レバレッジは高いが、銀行側は「担保割れ」のリスクを警戒する。

銀行は、万が一返済が滞った際、物件を差し押さえて競売にかけ、資金を回収します。そのため、積算評価(土地価格+建物価格の残存価値)を算出し、「担保評価額」に対してLTVが何%に収まっているかを厳格にチェックしています。

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Q. なぜ「自己資金(エビデンス)」の額がそこまで重要なの?

A. 融資後も「月商の2〜3ヶ月分」の手元資金が残るかを見て、突発的な修繕や空室に耐えられるか(倒産リスク)を測るためです。

融資を申し込む際、銀行から必ず「通帳の原本(またはコピー)」の提出を求められます。これは見せ金ではないか、本当に自由に動かせる自己資金(エビデンス)がいくらあるかを確認するためです。

一般的に、物件価格の10%〜20%の頭金と、**5%〜7%の諸費用(登記費用や不動産取得税など)**を現金で支払えるかどうかが基準になります。

事実と専門解説:なぜ「カツカツ」では落とされるのか?

仮に、自己資金が500万円の人が、諸費用で500万円を使い切るようなフルローンを組もうとした場合、銀行は融資を躊躇します。なぜなら、不動産投資を開始した直後に「エアコンが5台同時に壊れた(約50万円)」「退去が3部屋重なり、原状回復費(約100万円)がかかった」という事態が起きた際、手元資金がゼロだと即座に黒字倒産(資金ショート)してローンの返済が止まるからです。

元銀行員の融資コンサルタントによる言及でも、「融資実行後も、最低限の運転資金(家賃収入の2〜3ヶ月分、または数百万円)が通帳に残る状態を作れるかどうかが、返済能力の証明になる」とされています。


結論:銀行から「返済能力がある」と認められるための3大鉄則

不動産投資で銀行を味方につけ、有利な融資を引き出すためには、以下の3点を徹底して準備しましょう。

  1. 個人の属性を整える
    融資を引く前の中途半端な転職や、クレジットカードの支払い遅延、不要なマイカーローン・リボ払いは絶対に避ける。
  2. DSCR 1.3以上の高収益物件を選ぶ
    利回りが高く、経費を差し引いても年間返済額の1.3倍以上のキャッシュフローが残る物件を事業計画書に落とし込む。
  3. 自己資金(エビデンス)の最大化
    物件価格の15%〜20%程度の現預金を確保し、融資後も手元にキャッシュが残る「安全な経営」をアピールする。

銀行はあなたの敵ではなく、ビジネスの拡大を支える共同パートナーです。彼らが「何を恐れ、何を求めているか」という返済能力の裏付けを理解できれば、融資の承認率は劇的に向上します。適切な準備を行い、確実な一歩を踏み出しましょう。


さらに融資の知識を深めたい方へ

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